その歴史は平安時代にまで遡るといわれている「ひな祭り」。
現在ではすっかり日本の伝統行事となりましたが、子どもがいないとなかなかお祝いする機会もないのではないでしょうか。
いざひな祭りとなると、どんなご飯を作ればいいのか迷ってしまいますよね。
実は地方色豊かなひな祭りの食べ物。
一般的なお祝いご飯と京都の例、桜餅について紹介します。
ひな祭りの食べ物!全国共通のお祝いご飯といえば?
ひな祭りに食べられるご飯といえば何を思い浮かべますか?
ちらし寿司
ちらし寿司は欠かせませんよね。
最近では混ぜるだけでできるちらし寿司の素もありますから、簡単で彩りがあって食卓が一気にお祝いムードに。
長寿を象徴する海老や、春らしい菜の花をのせるとひな祭りらしいです。
ハマグリのお吸い物
ハマグリのお吸い物もひな祭りの伝統食。
二枚貝のハマグリはその一対の貝殻以外とはぴったり合わないことから、女性の貞操や夫婦和合などの意味が込められています。
ハマグリがない場合はアサリで代用する方も。
甘酒
甘酒と混同されがちな白酒は江戸時代からひな祭りに飲まれているお酒。
元々は平安時代から桃花酒という桃の花を浮かべたお酒が長寿の故事に基づいて飲まれていました。
大人は白酒、子どもは甘酒、お好きな方は桃の花を浮かべて楽しまれてはいかがでしょうか。
ひな祭りの食べ物!京都はやっぱり一味違う?
お寺や神社が多く祇園祭りなどの伝統行事が有名な古都・京都。
老舗の料亭や和菓子屋さんが軒を連ねており、ひな祭りも盛大に祝いそうですよね。
実際に桃の節句には下鴨神社の流し雛、市比賣神社のひいなまつりなど多くの行事が催されます。
しかし、食べる物はそんなに変わりませんが、しいて言うならば二つあげることができます。
ばら寿司
江戸時代の岡山県が発祥とされているばら寿司。
関東のちらし寿司と混同されがちですが、実は別物です。
大きな違いは二点。
一つは具材で、寿司ネタである白身魚やマグロ、イカなどを使うちらし寿司とは違い、ばら寿司は生ものを入れません。
ばら寿司の具は海老や焼き穴子、油揚げ、ちくわ、干し椎茸、茹でたにんじん、絹さやなど。
長寿を願う象徴である海老や春らしい菜の花はひな祭りにぴったりの具材です。
もう一つの違いは端的にいうと具材をどうするか。
ちらし寿司は酢飯の上に具材を並べますが、ばら寿司は混ぜ込んでしまいます。
地方によってや家庭によっていろいろなスタイルで楽しまれているので、ご家族のお好みでアレンジしてみても楽しいのではないでしょうか。
ひきちぎり
京都のひな祭りに欠かせない和菓子の一つです。
漢字では引千切と書かれ、真珠がとれる阿古屋貝の形に似ていることからあこや餅とも呼ばれます。
杓子型のこなしや外郎のくぼみにきんとんなどの餡をのせたもの。
よもぎ餅やピンクのきんとんなどで春らしく仕上げられたものもあります。
その由来は平安時代に子どもの頭に餅を三度触れさせた戴餅(いただきもち)という儀式や、宮中の人手が足りず餅を丸めずに引きちぎったという伝承などという説が。
四季を彩る和菓子でお祝いの席も華やかになること間違いなしです。
ひな祭りの食べ物!桜餅って雛菓子なの?
ひな祭りといえば色とりどりのかわいらしい雛菓子。
ひし形の菱餅や、菱餅を砕いて作ったのがはじめともいわれる雛あられなど。
色にはそれぞれ、緑は草木が芽吹く大地や健康、白は春の雪解けを待つ大地を覆う雪や純潔、赤は生命や魔よけを意味します。
ほかにも地域によって様々な和菓子がひな祭りを祝う際に用いられます。
最近ひな祭りによく食べられているのは桜餅。
確かに春らしい色合いもひな祭りにぴったりですよね。
ですが、実は桜餅は伝統的な雛菓子とはいいがたい代物なのです。
なぜ桜餅がひな祭りに食べられるようになったかというと、特にひな祭りと関連した由来はなく、食べやすくておいしいから。
食べにくい菱餅はプラスチック製の飾り物で済ませて、おいしい桜餅を食べるのは楽で名案ですよね。
伝統を重んじない場合は、春の訪れを桜餅で楽しんでみてもよいのではないでしょうか。
まとめ
京都でもあまり変わらないようですが、ちらし寿司ではなくばら寿司が一般的です。
和菓子ではひきちぎりという、杓子型のこなしや外郎にきんとんなどの餡をのせたものが好んで食べられる。
桜餅は伝統的な雛菓子ではありませんが、おいしく食べやすいため最近よく食べられています。
ひな祭りのハレの日ご飯を食べて、家族で楽しくお祝いしましょう。